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【中小企業必見】Amazon物流の凄さとは?


1.絶対的EC王者、Amazon

昨今では当たり前となった「ネットでの買い物」。全世界的にコロナウィルスが感染拡大したコロナ禍において、より一層ネットショッピングが身近になったという人も多いだろう。

総務省統計局が発表した家計消費状況調査によれば、日本では約56%の世帯がネットショッピングを利用しているという状況である。日本でネットショッピングと聞くと、Amazon、続いて楽天市場が思い浮かぶだろう。日本でも馴染み深いアマゾンの米国市場でのeコマースシェアはおよそ45%あるといわれている。

アマゾンは「顧客があらゆる種類の商品を一つのWebサイトで購入することができる」状況を作り出した究極の企業といえる。

ジョフ・ベゾスがシアトルでAmazonを起業した時から掲げている「地球上で最も豊富な品揃え」というスローガンを体現してきた。日本事業だけを切り出しても、事業者数16万社、2020年度売上高は2兆円規模となっている(※ここには定期購入サービス、AWSなども含まれる)。全世界でのアマゾンの収益は2021年度時点でUS$469,820 Million(50兆円規模)となっている。

2.稼ぎのヒ・ミ・ツ

それでは、非常にシンプルと思われるEC事業で、何故これほどの規模の収益が実現出来るのだろうか。その秘密は『アマゾン・マーケットプレイス』の仕組みに隠されている。

マーケットプレイスとは、アマゾン以外の事業者が出品できるオンライン上の売り場であり、超巨大なアウトレットモールを運営するアマゾンに各メーカー、小売事業者が店舗を構える事が出来る仕組みを指す。

アマゾンと言うマーケットの利活用を推進する仕組みには『Fulfillment by Amazon(以下、FBA)』というサービスが深く関係している。これは、Amazonが事業者の商品販売を支援するために提供している保管・配送サービスであり、事業者は、FBAサービス専用に設計されたAmazonのフルフィルメントセンターに製品を出荷する。その後、Amazonはセンターでの商品の受け取り、ピッキング、梱包を行い、お客様に商品を発送してくれるサービスである。返品や返金、カスタマーサービスなど、販売後のプロセスも含めてAmazonが一元管理してくれる。

サプライチェーンにおけるFBAの対象領域

ここからは、具体的なFBAの特徴について見ていきたい。

事業者がやるべきこと

マーケットプレイスで商品を販売する事業者がFBAを利用すれば、彼らは主に以下の3点にのみ注力することでビジネスを行うことが可能となっている。

  • 販売する商品を選ぶ:売れ筋の商品を選択する
  • 在庫を十分に確保する:FBAに登録すると、Amazonの倉庫に商品の保管が可能。在庫数については事業者が管理する必要がある
  • 商品のマーケティング:FBA単独での提供はなし。別途、Amazonの広告プログラムを活用することも可能だが、自社マーケティングが必要
FBAが提供するサービス
FBAの提供するサービス

これらのプロセスをすべて自社で手配するには、多額の資金と手間が必要となる。一方でFBAを利用する場合は、これらのサービスをAmazonがパッケージとして安価に提供してくれるため、自社の資金と手間を大幅に削減することができる。そのため、特に事業拡大を目指す中小企業にとっては有益なサービスと言える。

  • 配送コストの削減
    一般的に、商品を配送するために配送業者に支払う費用は高額です。もし、送料を有料にすれば、顧客離れが進む可能性があります。そして、このどちらかを行わなければ、売上を制限することになります。FBAは、プライム配送サービスを利用できるだけでなく、Amazonが世界トップクラスの配送業者数社と提携しているため、配送を独自に行うことと比較してコストが削減されます。
  • 倉庫が不要になる
    商品を販売するビジネスには、商品を保管するための倉庫が必要です。レンタルや購入する方法もありますが、スペース代だけでなく、それを管理する従業員の人件費もかかるため、高額になる可能性があります。そのための予算を確保したとしても、どれだけのスペースが必要かを判断するのは難しいというのが現実です。広すぎても狭すぎても困る。そこで、フルフィルメント・バイ・アマゾンが提供するのが、フルフィルメント・センターです。商品を保管するために必要なだけのスペースが与えられ、その販売量・利用量によって費用が決定するものであり、諸経費は毎月の在庫料に含まれています。

    さらに、売れ行きの良い商品を扱う高業績の企業には、無制限の保管スペースが与えられます。
  • アフターサービス(返品・交換・返金)もサポート
    返品を処理する際には、満足度の低い顧客との折衝を進める必要がある。特に、返品理由の確認を通じて、どのような問題が生じているのかを適切に見極める必要が生じる。場合によっては、今後(あるいは現在進行形で)同様の問題が生じる可能性もあるため、適切な対応が求められる。
    FBAを利用する事業者は、Amazonの従業員がこれらの返品要求を受け取り、商品を交換し、そのプロセスにおいて顧客に情報を提供することができます。

このように、アマゾンのマーケットプレイスに参入しやすい様にするシステムをアマゾンが構築しており、各事業者自前で物流網を構築するよりも、アマゾンを活用することで自社の販路を拡大することが容易に可能となっている。これは言い換えれば、アマゾンを利用しない・できないということは、市場での認知を失ってしまうということに他ならないだろう。

次回の記事では、日本市場において、Amazon同様に市場を展開する楽天市場に焦点をあてながらAmazonの強みについて深堀していきます。

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