コンビニエンスストア FC本部 v.s. 加盟店の収益構造
目次
- 結局、CVS業界は儲かっているのか?
- FC本部にとっての打ち出の小槌
- FCコンビニ経営は魅力的なビジネスモデルなのか?
FC本部 v.s. FC店の収益構造
本部はどのように稼いでいるのかを考察していく。店舗の立ち上げにおける各種契約金等を除けば、一般的には、店舗の売り上げから商品の仕入れ額を差し引いた粗利益を本部と加盟店とで分け合う方式を採用している。(図:売上と仕入比較表+利益&実は仕入額に上乗せ)
本部の取り分がロイヤリティと呼ばれる権利使用料であり、その金額はフランチャイズや、契約タイプによって異なっているが、一般的には粗利益の40-70%程度と言われている。ロイヤリティ相当のFC本部からの提供価値が何なのかはまた別の機会で触れるとして、粗利益の50%しか手元に残らずとも黒字経営が実現できるのであれば、誰にとってもフランチャイズ経営を低リスクで始められる魅力的なビジネスに見えてくる。
しかし、FC店舗オーナーの取り分を計算する時には、本部へのロイヤリティ以外にも従業員を雇用する人件費や光熱費等のコストが毎月発生する(図:オーナーの取り分)
<サマリー>
・FC店舗の粗利益×約50%=ロイヤリティとして本部が回収。
・残った粗利益から人件費等の固定費をCVS店舗にて負担。
・食品ロスが発生した際には、追加でFC店舗のコスト負担となる。(ケースによっては、一定割合を本部が負担する契約もある)
※KDDIと共同で、消費期限が迫った商品の値引き情報をスマートフォンに配信するサービスを始めた。2020年10月から、埼玉県内の10店舗を対象に値引き情報を配信する実証実験を始めた。午後5時以降、店舗に立ち寄る可能性の高い客に対し弁当やデザートの値引き情報を配信する。21年度中には全国のローソン約1万4千店舗へと展開される予定。
・フランチャイズ店の出店コスト
★セブン
国内の売上高がトップであり、他のCVSフランチャイズと比較しても、店舗数が多く、サポート体制も充実している。
オーナー自身で土地・建物など店舗にする為の物件を保有していれば、加盟金は300万円(内、研修費50万円・開業準備手数料100万円・開業時出資金150万円)。
土地・建物を所有していない場合、加盟金は250万円で内訳は研修費50万円・ 開業準備手数料50万円・開業時出資金150万円。
セブンイレブン・チャージと呼ばれるロイヤリティは、売上総利益に43%の率を乗じた金額。54〜74%(月売上高250万円〜400万円未満の場合は64%、400万円〜550万円未満の場合は69%)
★ローソン
オーナーの応募資格は20歳以上、店舗専従者2名以上が必要。契約に必要な資金は100万円(内、研修費50万円・開店準備手数料50万円・開店準備金約50万円)。
ロイヤリティは本部チャージと呼ばれ、粗利益の金額に応じ、段階的に定められた比率を乗じて計算しており、300万円以下の部分は45%、300万円を超え450万円以下の部分は70%、450万円を超えた部分は60%。
ローソンでは、『FCオーナー・インターン制度』というものが設けられている。この制度は、契約社員として入社したあと1~3か月の店舗勤務をして、約25万円の給料を取得しながら経営ノウハウを学べる制度である。また、この制度を適用すれば、本来、加盟の際に必要な開店準備手数料や研修費が不要であり、約100万円が免除される。さらに20~35歳までの加盟者なら、FC加盟奨励金として約50万円の支援を受けることができる。
更に、『キャリア独立制度』と呼ばれる別の制度もある。通常なら2名の店舗専従者で運営するが、この制度では1人で開業することが可能。最短約3か月で独立開業できる。
★ファミリーマート
https://www.family.co.jp/company/fc/system/process.html
ファミマでは、フランチャイズの契約形態は土地・建物や内装設備の負担者(本部orオーナー)によって異なる。
ファミマの加盟金は一律300万円で、ロイヤリティは土地や建物をオーナー自身が用意することが出来れば36〜52%、できない場合は、最大69%となり、他CVSと比較して比較的安く出店できるのが特徴。
①家族加盟促進制度
②シニア加盟制度(契約期間が通常よりも短く設定できる)
③インターン社員独立制度()
④嘱託店長加盟制度()
その為水光熱費助成金・24H営業奨励金・廃棄ロス助成金などもあり。
★スリーエフ
ローソン系列となっているスリーエフ。フランチャイズとして出店する際、土地や建物の用意ができる人向けと、土地や建物は本部が用意するタイプの2種類がある。独身でも応募出来るプランもあるため、単身でCVS経営にチャレンジしてみたい方にとっては選択肢の一つとして挙がってくる。
加盟金はタイプによって異なり、100万円〜250万円で設定されている。同様にロイヤリティについても、21%~70%と広いレンジになっている。
ユニーク要素:商品開発やマーチャンダイジングなど
★ミニストップ
フランチャイズとして人気の高いCVSであるミニストップ。ミニストップは、契約期間が7年と他のCVSと比べて短く、ロイヤリティも比較的低く設定されている。ファストフードメニューが充実している点が特徴で、ファストフードの利益率が高いことも人気の理由となっている。
加盟金は一律250万円。ロイヤリティは30%〜75%。
★ポプラ
西日本の中でも、中国地方でのシェアが高いポプラは、ルーツが九州の酒卸のCVS。
業界では店舗数こそ少ないものの、地域によってシェア率が大きく異なっている。契約期間中に解約しても違約金がゼロの独自のフランチャイズシステムが特徴。
加盟金は100万円、ロイヤリティは売上高の3%。契約期間は5年で違約金0システムがある