コンビニエンスストア各社海外進出の実情
ローソンは、1996年に上海で中国1号店を開いたローソンは、これまで中国で3000店以上を出店しており、日本の3大コンビニチェーンのなかでは最も多いが、黒字化には至っていなかった。ローソンが2020年にはじめて中国で通年黒字を実現したが、今後は中国で宅配サービスを開始し、2025年までに店舗数を現在の3倍以上の1万店にする計画を発表するなど強気だ。ちなみに、中国本土のコンビニチェーンも大半が赤字に苦しんでいる。その原因は出店が要因な反面、コストが高いことだ。コンビニは通常、粗利率40%強が損益分岐点となる。しかし中国では30%かそれ以下が多い。
まずは店舗賃料がやっかいとなる。中国の主なCVS利用者は若者で、若者の多いエリアに出店しなければ十分な客数が望めない。そのような地域は通常賃料が高いため、家賃負担が嵩む。次に、CVSは日配食品、惣菜、自社製品などを大量に扱うため、それに合わせた店舗施設の改造や、サプライチェーンの構築にもコストがかかる。
セブンイレブン:エリアライセンシー制度を採用しており、
・ファミマ:2014年に7,925店舗あった韓国の店舗を全て売却。加盟金を引き上げた影響で2013年から上海エリアでの収益が黒字化した。
・市場の将来性(期待値)
<各社の出店状況>
セブンイレブンの海外進出状況
21年2月末時点では約50,000店舗超。米国、タイ、韓国、台湾をメインとして、その他の国含めて17か国に展開している。国内市場において、新規出店の余地がないため、海外展開が加速しており、2020年8月には米国のCVS大手三角の1社であるスピードウェイを買収。アメリカ市場の更なる拡大・成長を目指してM&Aを積極的に推進中。
ファミマの海外進出状況(浅井)
21年1月時点で約17,000店舗。セブンイレブン同様にアメリカ進出した過去はあるが、想定以上に市場開拓が困難で蟻、2015年に撤退。また、韓国についても撤退済みで、台湾、中国、タイを中心に8,000店舗程度を展開。フィリピンでは高級路線で店舗増加中。
ローソン
2021年4月時点でローソンの国内店舗数は14,585店に対して、 海外の店舗数は3,814店。主な進出国は中国、タイ、インドネシア、フィリピン、ハワイ。セブン、ファミマに遅れをとる。1996年に現地子会社(上海ローソン)を設立し、中国初の日系コンビニとして上海市に進出。2020年10月に中国で3000店舗を突破。当初はおでんを広めるなど順調な滑り出しだったが、現地のCVSとの熾烈な競争に加え、ローソンの中国事業を担っていた企業が国策の一環で再編、日本からの駐在員が減らされるなど、中国進出はトラブル続きで結果的にセブンやファミマに水をあけられる。インドネシアでは撤退したセブンの旧店舗を取得。